墓の拓本をとる

[あらすじ] 墓参りのために静岡の街に着くと、書道具店がセールで賑わっていた。

墓石は立派なものだが、ひどく傷んでいる。

http://blog.goo.ne.jp/su-san43/e/d5640f6ed0a648fa28fd2669e46d437

思い付いたらすぐに私は書道具店に戻った。

店は老夫婦と息子さんで営んでいる。

レジに立つ奥さんにさっき、墓参りで静岡に来たことはしゃべっていた。

息子さんに、相談した。

墓石の拓本を採りたいのですが?

すると、ご主人にタッチ交代された。

私は、墓石の大きさを伝えた。

拓本を採った経験は無いので、何も分からないんです。

すぐに、紙はこの雁皮紙(がんぴし)がいいでしょう、と出してくれた。

書初めなんぞでよく使う、半切というサイズのものだ。

「墓石を濡らして、しわが寄らないように紙を貼り付けて、

上から墨を付けたタンポで叩くんです。

説明書が入ってますよ。」と

墨とタンポがセットになったものを出してくれた。

セールで2割引だ。ラッキー。

さて墓場へ戻る。

11時、快晴。

作業する真上から太陽が照りつける。

湿らせた墓石は、はしから乾いていく。

風邪で熱が出ているのか、ただ陽射しがつらいだけなのか、わからない。

ほとんど風が無い。暑い。

少しの風でも、薄い和紙はあおられる。

桶置き場に有ったガムテープを拝借し、紙の隅っこを仮とめする。

紙が石にぴったり着くように、タオルで湿らせる。

後日、帰宅してからインターネットで拓本のとりかたを調べた。

湿ったタオルを巻いて、紙の上を転がすのが良かったようだ。

そうしてしっかり密着させると、文字の部分がくっきりと白く残るのだ。

タンポは細かく叩く。ここに根気がいる。

空白を早く黒くしたくて、紙の上に墨を塗るような動きをするのはいけない。

湿った紙の表面がほぐれてしまう。

根気よく、トントントントントントントントンとやる。

雁皮紙は3枚買った。

一枚目は練習〜失敗用。

あと、自分用と、墓の管理をしている従姉用。

一枚目は、コツもつかめず慣れてもいないが、丁寧にやった。

三枚目は、暑さと疲れで雑だが、慣れてきてはいた。

結果、どれがきれいという秀でたものもなく、一長一短でほどほどの出来になったと思う。

とにかく中天からの陽射しが体を責める。

1時間半かかったが、3枚でちょうど良かっただろう。

やれやれ。

そのうちこの隷書も臨書してみよう。

これを板に刻んで表札を作ってみる、なんてのもいいかもしれない。

あ、もちろん、苗字んとこだけね。

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